暴力と脅し、Wの効果
誘拐が後を絶たないアメリカですが、毎回メディアをにぎわす誘拐事件は犯人が事件ごとに違うように、それぞれの事件の内容も違えば、犯行手口も特徴も全て違う。 憎たらしい誘拐犯ですが、犯人の個性的な犯行手口には関心さえさせられる事がある。 先週からアメリカでクローズアップされている誘拐事件があります。 この事件はまだ取調べ中なのですが、「なぜ?」と言う疑問を残したままになっている。
事件は12月8日にBen Ownby くん13歳が誘拐された事に始まった。 Benくんが居なくなった学校のバス乗り場付近で怪しい日産のピックアップ トラックを見たと、同じ学校に通う生徒が証言していた。 警察はその目撃証言を元にトラックの行方を追跡してた。 同じ頃、証言にあったトラックと同じタイプではあるが、別の色をした怪しいトラックを見たと警察に通報した人がいた。 警察の方でもその同じトラックをマークしていて、トラックの持ち主を調べていた。
トラックの持ち主はピザ レストランで働くレストランマネージャーのMichael Devlin 41歳であった。 彼の仕事に対する評価はとても良かったようで、働き始めた時から無遅刻、無欠勤で信頼されていたようだった。 しかし、Benくんが誘拐された当日と、その次の日に珍しく仕事を休んでいたと言う情報を入手した警察はFBIに連絡をした。 誘拐から5日後Michael Devlinは逮捕された。
しかし、誘拐をされていたのはBenくんだけではなかった。 FBIがBen君を保護したとき、Michaelの自宅にはもう一人の男の子がいたのだ。 彼の名前はShawn Devlin 15歳、 本当の名前はShawn Hornbeck。 彼は11歳の時にMichael Devlinに誘拐されて、それ以降Michaelと4年半一緒に住んでいたと言う。
この4年半の間Shawnは信じがたいほど自由に近所の子と遊んでいたと言う。 自由に自転車を乗りまわし、スケートボードで遊び、デパートをぶらついたり、テレビを見たり、コンピューターゲームをしたり、I-Potまで与えられていたと言う。 一度近所のお友達の家族と一緒にテレビを見ていたときに、誘拐されたShawnの顔写真がテレビで紹介された。 その時友人の家族は「貴方に似ているわ」とShawnに問いただすと、「僕じゃないよ」と言ったという。
ここで疑問に上がっている「なぜ?」が出てくるのである。 犯人がどんな手口を使ったのかまだ分からないけど、なぜ彼はこれほどの自由な時間を与えられていたにも関わらず、この4年半逃げようとしなかったのか? そして、なぜ誰にも助けを求めなかったのか???
彼はMichaelの性のはけ口として性的暴行を受け続けてきたと言う。その辺がまだ取調べの最中という事らしいが、 Newsweekに出ている記事の中で、Michaelの下の階に住む住人が二階から子供を叩いている音や、叫び声が最初の1年半ぐらい聞こえていたと証言している。 同じ記事で精神科医が暴力と脅しの2つを同時に与えると言う事は、精神的な影響を与える事ができ、人間をコントロールする効果があるし、その恐怖心によってトラウマが生まれると言った内容が書かれていた。
私はまだ幼いShawnがどんなにひどい仕打ちを受けて、どんな恐怖を体験したかを思うと、可愛そうでならない。 普通なら学校で友達を作って、青春ならではの体験を経験する年頃だ。 Shawnの青春を返して欲しい。 むろん、体験をした本人しか分からない恐怖ではあるだろうけど、私はこの犯人を許したくないですね。 できれば一生自由を与えないでほしい。 こんな危険な男は世の中に出てくるべきではないと思います。 皆さんはどう思われますか?