Gody's Diary

Monday, September 25, 2006

リサールウェポン、その名もメディスン

昨日友人が胃が痛いというので、私が持っていた胃薬を服用してもらった。 私もどちらかと言うと、昔から胃が弱いほうで、ストレスを感じたりする事があると、すぐ胃が痛くなった。 大分前だけど、胃が痛すぎて夜も眠れなくなってきたので、思い切ってドクターに行って見た。 診察の結果、ドクターに「もう少しで胃潰瘍になっていました」と言われた。 その時に胃潰瘍患者に出される「シメチジン」と言う薬を出してもらった。 この薬は、当時日本では処方箋なしで買えない薬らしかったが、アメリカではドラッグストアーの棚に並んでいて、処方箋なしで、誰でも買う事ができた。 私はドクターからシメチジンを処方箋薬としてもらった。 その薬がなくなった頃には、胃の痛みも完全に取れていた。 

その後、数年たってまた胃が痛み出した。 その時はドクターには行かず、スーパーで買える「シメチジン」を買って服用して見た。 これが小さい粒の薬ながら、すごく胃の痛みに効き目があって、胃の弱い私を、痛みから開放してくれた、スーパー エンジェル ドラッグ だった。 エンジェルと言うのは、「私を助けてくれる、エンジェル(天使)のような」薬と言う意味だ。 薬に限らず、生き物を痛みや、不安、恐怖から救ってくれる、やさしくて、天国にいるような気分にさせてくれる人や物は、エンジェルと呼ばせてもらっている。 看護婦さんもエンジェルですよね。 そんな自分自身で人体実験をした信頼している薬だったし、胃の痛みの痛さが分るので、早く友人を痛みから開放してあげたくて、この薬を渡した訳だけど、本当は、できれば薬を人に渡すのは避けたいと思っている。 

薬の効き目は人それぞれ効果が違って現れる。 私に効いたとしても、他の人には効かないかもしれない。 それから、その人がその薬に対して、エネルギー反応や、副作用を起こすかもしれない。そんな可能性を私一人が、判断など到底出きるわけがない(判断するライセンスがない)。 下手をすると、その薬がその人の命を奪ってしまうかも知れない。 薬ってそれほど恐ろしい物だと思っている。
アメリカではたびたび、一度マーケットに出回った薬に、リコールがかかったと言うニュースを見る事がある。 下手をすると、死者まで出してしまう恐ろしい薬だった、なんて言う事が大分後になって判明して、あわてて回収する事があるのだから、やっぱり薬は恐ろしいものなのだ。 それ以上にアメリカで恐れられているのが、医薬品マーケットとFDA(食品医薬品局)の「薬はお金=お金(薬)が物を言う」的な姿勢だ。 

むかしTylenolと同じく、頭痛薬で有名なBAYERのBAYER社から「Factor VIII」と言う血友病のお薬が世界中で売られていた。 実はその薬はAIDSウィルスに感染されていた物だった。 1982年にはこの薬によって、AIDS感染したのではないか、と言う報告をあちこちから受けていた。 だけれど、研究リポートを受けて、AIDS感染確率が高いと認識していたにもかかわらず、しばらく薬を世界中に売りつづけたのだ。 この薬は出血したときに血を固めるために必要な、凝固因子の不足を補うための薬で、一般人ドナーからの輸血から出来ていたらしい。 液体ではなく、粒のタブレットだったけど、中側の空気に触れない真空状態の環境で、AIDSウィルスは生きていたのだ。 と言うことは、一般ドナーの中にAIDS感染者が含まれていたと言う事だ。 当時はエイズについて、今ほど研究が進んでいなかったとはいえ、血友病患者がこの薬により次々とAIDSに感染して行った事は、いくつもの研究報告、や診断結果から分っていたはずだ。 アメリカではその薬はすぐにFDAによって発売禁止令がでたが、マレーシア、シンガポール、インドネシア、アルゼンチン、そして日本に売り続けられたリサールウエポン薬である。 

医薬品マーケットはアメリカ経済の4分の一以上を占める、国にとっては重要なマーケットなのだ。 だから、巨額が動く医薬品の発売をストップするのは、FDAの「発売禁止」の一言に託されている。 BAYERにとっては、倉庫にこの薬の在庫品が大量に残っていたから、できるだけ売って、赤字を逃れようとしたようだ。 AIDSウィルスに汚染された薬を売りつづけた理由については、「アジアでは新しい(安全な)薬の輸入許可と、その手続きに時間がかかる...」とかナントカ言ってた見たいだけど、アジア各国の研究員からは「アジア人の命なんてどうでもいいから、AIDSウィルスと知ってて売り続けたんだろう?」と非難を浴びるのも当然のこと。 FDAもBAYERが売りつづけていた事に対して罰を下すどころか、外部や議会には知れないように、内緒で発売ストップと対処しただけだった。 こうして1985年までアジア各国にAIDSウィルスを撒き散らした薬が存在する国です。 そんな国で売られている薬を信じるまでには、発売から相当な時間がたっていて、副作用などのリポートが上がってないなぁ....と、自分自身で判断するしかないのだ。自分の身は自分で守れ....です。 

...にしても、人の命に関わる事とお金儲けを混同してほしくないですね。 高いお金を払って、自分を守ってくれると思って買った薬が、逆に命を奪うなんてあってほしくはないですが、お金に目がくらんだ人たちが売りさばく薬ですから、服用は慎重に判断してからにしたいと思っている。 ましてや他人に奨めるなんて。 これは命を預かるのと同じほど重要な問題だと心得ている。 下手をすると薬を渡した相手から訴えられるかも知れない。 体の調子が悪いと言う人に対しては、ドクターに行く事を奨めるのが一番です。 とりあえず私はこのニュース(3年程前)を見て以来、BAYERの薬は頭痛薬でさえ買わないようにしている。 皆さんも薬には十分に気をつけて下さいね。

ちょっと調べただけで出てきました。 当時のニュースです。
http://www.youtube.com/watch?v=XS3mhjt7TrY&search=Bayer

Wednesday, September 20, 2006

納得できない奨学金配分

世の中には想像を遥かに越える超お金持ちの人がたくさんいる。テレビのニュースで、お金持ちが公共機関や、恵まれない人たちなどへ、お金を寄付をしている姿などよく見る。 正直言ってこう言う慈悲深い行いの光景が、最近私の中では麻痺し始めて、当たり前な感覚になるほど頻繁に、あの人からも、この人からも寄付が絶えないのである。 しかも私は、お金持ちは "けた違い" なお金持ちが多いアメリカに住んでいるので、 こう言うリッチな人たちは寄付をして当たりまえ。 そんなにお金を持っていても仕方がないだろう思っている。 だって使っても使っても余っちゃうんだから。 私だって余るほどお金があったら寄付などして、いい事をした自分にほろ酔いしたいし、いい気分に浸りながら後半の人生を心豊かに暮らしたいと思っている。 前にも日記に書いたけど、両親に恵まれない子供たちを養子として迎えたいとも思っている。 

寄付に関するニュースがLAタイムズに載っていた。 スターウォーズでおなじみのジョージ ルーカスがUSC (University of Southern California)にフィルムメーキングのスクールを建設してもらおうと、175億(円)以上の寄付を行ったと言うこと。 フィルムスクールの寄付金の中では過去最高の金額らしい。 同じ学校でルーカスの前に、過去最高金額を寄付した人は、ウォルター アネンバーグ大使で120億(円)らしい。 アメリカ全体での、学校への最高寄付金額は、インテル社から600億(円)以上がカリフォルニアテクノロジー (Caltech)に寄付された。 カリフォルニア州立大学ロスアンジェルス校は、この10年半の間に、30兆円以上の寄付が集まったと報告したと言う。

こうした寄付の金額は年々上がっているみたいだ。 寄付をする人は、れぞれ寄付をする目的が違うから、 そのお金は寄付した人々の希望を考慮した使い方がなされる。 今回のルーカスの寄付金は、将来のハリウッド映画作りに役立てるため、映画界に優秀な人材を育成したいと言う希望があって、フィルムメーキングの学校を建設する事となったそうだ。 学校への寄付の目的でよく聞くのは、お金がなくて学費が払えない子にも学校に行ってもらいたい...と言う希望があって、寄付をする人も多い。 こうした個人からの寄付以外にも、Dpt. of Education (教育省)から連邦奨学金 Pell Grants と言うのも出ている。 これもやはり学費を払う余裕がない人が申し込む事ができる奨学金だ。 

私は一度この奨学金を申し込んだ事がある。 これに申し込むにはある程度の審査を通過しなくてはならない。 それはまずアメリカ市民であること、 学校の成績が3.0GPA以上であること、出席簿も考慮する、そして個人、もしくは家族全体の年収が200万円以下であること。 これらが一つでもかけていると審査をパスする事は出来ない。 私はサンディエゴに来る前に、ジョージアのおばあさんの家から大学に1年ほど通った事がある。 もちろんヴァージニアで通っていた大学の籍をそちらに移してからだ。 その間私は働いていない。 もちろんおばあさんの家にお世話になるのだから、おばあさんのお手伝い等をしたけれど、お給料はいっさいもらっていない。 だから私はその一年間は年収がゼロと言う事になる。 小遣いも自分が持っていたものをチョコチョコ使った。 だから一年後サンディゴに移った時に、大学の籍もこちらに移した。 昨年一年間ジョージアで収入がなかったと言う事で、移籍ついでに Pell Grants を申し込んだ。 これが審査をパスしてしまった。 全額は出ないようだったけど、何クラス分かは出たようだった。 はっきりとした金額は大学が教えてくれない。 

ただ、このときは収入がゼロだから出来たこと。 今は働いているし、年収が200万円以上あるからPell Grants には申し込めない。 だからと言って学費を払うほどの余裕がある年収でもない。 今行っているマッサージの学校は、学生ローンを組んで通っている。 でも考えて見ると家族全体で年収が200万円以下の人なんているんだろうか? 200万円で計算すると、月のお給料が16万ちょっとになる。 そこから連方税を引くと、手取りが13万になる。 そこから年金はオプションだから、手取りがこれだけ低いと、あえて年金を申し込む人はいないだろうから、健康保険(ヘルス、目、歯)のセットで1万円引いてみよう。 12万円から車社会のアメリカでかかるガソリン代。今日現在は超燃費カーでも1万円はかかるから11万円。 家賃はルームメイトとシェア-をしたとして、今どんなに安くても電気、ガス、水道込みで500ドル(5万円としよう)と考えて、6万円あまる。 食費は節約したとしても、最低でも2万円かかる。 4万円の残りといっても、正直言って色んな事で飛んでいくはずだ。 車のローンがあるかもしれない。 虫歯になって治療に100ドルかかるかも知れない。 シャンプーや石鹸、歯磨き粉など生活にかかる費用は色々ある。 家族でと考えると4万円は余らなくなる。 ホームレス以外にこんな人っているのだろうか? どうやって生活してるんだろうか? 

いたとしても、学費は国からでるから、卒業してたくさん稼げばいい。 それよりも、その低所得者のラインよりぎりぎり上に近い、私のようなビンボー人に対して、奨学金が出ないのが納得できない。 学費を払っても十分お金が余る人以外の、ぎりぎりラインの人たちにも、こういった奨学金制度をあてがえてほしい。 こう言う中産階級の中でも、限りなく下の方の人間は一番損かもしれない。 奨学金や、国からの生活保護はしてもらえないうえに、中産階級の上のほうの人たちと同じように税金をはらい、家賃を払い、生活費をはらうんだから、この二組でお金が余るのは上のほうの人たちだけだ。 

 奨学金がオーガニゼーションや、エージェントから出ている場合がある。 例えばバイオロジーファームの団体から一学期間に5万円支払うと言うのがある。 これはバイオロジーの成績がGPA4.0者に対してと言う条件がある。...と言う事はバイオロジーのクラスを一つか二つ取っていなければならない。 そのクラスを取るおかねがないから、奨学金を探しているのに.....  どこか、初めから寄付をしてくれる団体はいないものか? 奨学金を払う代わりに、学校を休んではならない。 成績もGPA4.0をキープするって言う条件ならできる自信がある。 がんばればいいだけの事だ。 そう言う条件が存在してもいいのではなかろうか? あれば収入ぎりぎりガールの私にも、奨学金を受け取るチャンスがあると言う物だ。今まで寄付されたお金は誰に支払われているのか? 私は前の日記にも書いたが、学費欲しさにアメリカ陸軍の入団テストを受けたほどの人間だ、 これは私にとって深刻な問題なんです。   

Wednesday, September 13, 2006

勝ち組みと仲良くやって行こう

インドのMr. Big (ミスター 実力者) についての記事が、オンラインのMSNBCに出ていた。 彼の名前は Mukesh Ambani と言って、インドでもっとも実力・影響力のある市民で、インド一成功している企業家なんだとか。 去年一年間の売上はおよそ200億(円)で、今年1月以降は会社の株がスカイロケット並みの速さで62パーセントあがった。 これはすごい。 早く知っていれば私も今ごろ億万長者にあやかっていただろうに....  これからもっと順位が上がるだろうけど、Forbesに世界で38番目にお金持ちと紹介された、今ノリノリの男性なのだ。 元々家族で運営していた企業が成功したらしいけど、家族内でビジネス紛争があったらしく、家族で企業を分散して、一から出直した訳だけど、彼が運営する通信事業が成功した。 今からもっともっと大きく発展を遂げる企業になりつつある。

今現在インドの商業のほとんどは、小さな農家たちと、小売店で成り立っている。 そこで、 Mr. Big は50億円を投資して、2011年までに農業と商店を近代的に発展させて、最新の物流技術を通して、インドの大型ストアー(ウォールマートのような)をチェイン展開する予定と言う。 これだけで500万人の雇用が約束される。 それだけではない。 次の10年間で2つの新しい衛星都市を建設予定だ。 もちろんこれは大きな人口がまとまるだけの住宅地の建設とか、色んな企業の建設を歓迎する事も含まれているだろう。  

何てったって Mr. Big にとって彼の企業の発展と、国の発展の計画は、インドの国からの信頼とサポートがあってのもの。 と言うよりは、彼の企業が大きくなりすぎて、国が彼のプロジェクトを黙って応援している(ほぼ自由にさせている)と言う感じだ。 そりゃそうでしょう、このプロジェクトにより、道路が塗装され、水道もきちんと通して、鉄道も通って、これからインドが本格的に近代化を計るための道しるべをしてくれる、言わば救世主のような存在じゃーありませんか。 アメリカで言うところのロックフェラーのような人なんですよね。 

インドはここ十年で若者の教育に力を入れて、 IT革命を起こした勝ち組みな国民です。 アメリカではサイエンスに携る分野の成功の影にインド人ありです。  多くのIT企業では優秀なインド人を雇用してます。 もちろん報酬は惜しみません。 でも優秀なインド人従業員は、それ以上に会社に利益をもたらして、成功に貢献しているのです。 宇宙事業においても彼らの貢献は非常に大きな物と言えますよね。 NASA (アメリカ航空宇宙局)の上層階級者は皆インド人です。 もともと頭のいいインド国民です。 目覚しい発展をとげるでしょう。

http://www.msnbc.msn.com/id/14788768/site/newsweek/   
Mr.Big の記事 (彼の写真が載っている)

それから同じMSNBCからもう一つ。 ブッシュ大統領がサウジアラビアから数千人の、交換留学大学生を受け入れるプログラムを、表明したことに関係した記事が載っていた。 これによってアメリカの大学は、こぞってサウジからの留学生の獲得戦争を始めたという。 留学の奨学金はもちろんアラビア王国のロイヤル ファミリーから出ている。 交換留学生一人あたりおよそ300万(円)支払われる。 一つの大学に100人から150人の生徒が留学すると考えると.... 単純に3億円以上になる。 これは大学にとっては美味しい。 アメリカの大学費は、海外からの生徒の学費が、アメリカ市民の学費の倍以上かかる。 それに加えて一学期にかかる教材費だけでも3-7万円ほどかかる。 だからアメリカでは授業費もまとめて全部、多く払ってくれる外国の学生をほしがる所がある。 プログラム自体に関して王国にいる家族たちは、学校に預けていれば勉強をしてくれるし、将来的には子供たちが学んだ事を、親の家業の手伝いに活かしてくれるだろうと期待している。

サウジアラビアと言うと、石油が豊富にあるお金持ち国家だ。 でもアメリカでは、ナインイレブン テロリスト アッタック の19人のハイジャッカーの内、15人がサウジアラビア人だと分っている。 テロ後あんなにアラブ人を差別して、国外追放に追いやり、サウジをアラビアから追い出そうとまでしたにもかかわらず、その国の生徒を快く受け入れるんだから、絶対そこには利益が生じているはずだ。 大学がほころんでいるだけではなくて、国が喜ぶ何かがあるのが、アメリカのビジネス戦略というものだ。 これで考えられるのは石油と、ブッシュの為の政治資金の確保、CIAを使ってロイヤルファミリーの息子たちから、テロリストの情報を探る事もできるだろう。 欲がない一般アラブ人や、凡人の私たち一般市民が想像もしない戦略があるんだろう。 

私の考えだけど、 はじめのインド人の事もそうだけど、 アメリカにとって良いとされる事は、そこに利益があること。 インド人雇用の場合は、いいお給料を支払ってまでも他国の人材を雇う。 そこにはそれ以上の収益があるから。 多分石油やお金がらみの留学交換も、イヤラシさが見え見えだけど、利益につながることはなんでもやっちゃう国なのだ。 日本の人から見ると悪代官なアメリカでも、アメリカ市民にとっては、その悪知恵のおかげで国が豊かでいられるのなら、悪い事ではなくなる。 そんな悪知恵なんて、市民に知られる事なんてほとんどないのだから、Me-Me-Me の自分さえ良ければそれでいいアメリカ市民は、自分ら個人が損をしなければそれでいいのです。 他国から恨まれる事もあるだろうけど、私はそう言うやり方でも、国を守る一つの外交手段で、アメリカ経済の発展に役立つなら、とことん政治家の手が汚れても(彼らの手はどうせ汚れてる)かまわないと思っているし、利用しないてはないと思います。 ただし、政治家だけが美味しい思いをすることは、アメリカ市民も私も黙ってないと思いますよ。 日本の皆さんは「国民を守る、経済の安定」に、こう言うやり方を利用するのはどう思いますか?  

勝ち組みと仲良くやって行こうとは、嫌な言い方だけど、勝ち組み(インド人やアラブ人)をアメリカ発展の為に仲良く(利用)して行きましょう、と言う意味なのだ。

Monday, September 11, 2006

この5年間に学習したこと

....と言う記事がワシントンポストに載っていた。今日(日本では昨日にあたる)9月11日(ナインイレブン)はテロリストアタックから5年たったメモリアルデイとなった。 早いもので5年ですか....  私はテロリストによる攻撃は、ニューヨークのツインビルディングや、ヴァージニアのペンタゴンを攻撃して、ビル内で働くたくさんの人々の命を奪っただけでなく、ありとあらゆるビジネスにまで影響を与えた、広範囲にダメージを与えた"すごい"攻撃となったと思う。 これは私だけではないでしょうが、 私が当時働く会社の売上にも影響を及ぼし、 私の給料を減らしてくれちゃったんだから、テロリストに対しては相当な恨みがある。

私はその日ワシントンDCにオフィスがある会社で働いていたので、 当然のことながらツインタワーの事故(後でテロと分った)もオフィスにあるテレビのニュースで知るところとなった。 朝一番にトップニュースとしてアメリカン空港の一機目がツインタワーに突っ込んじゃった事故をみて、会社の皆で「パイロットはお酒でも飲んでたのか?馬鹿だなー」とあくまでも事故だと思っていた。 そんな時、二機目のアメリカン航空がカメラの回る中突っ込んじゃった。 これには皆開いた口がふさがらなかった。 言葉を失うとはこの事と言わんばかりに、脳内はパズルだった。 ???? 私の脳内パズルはこんな絵が描かれていた。 まるで美しい青い光に酔いしれてやってくる虫たちの様に、催眠術をかけられたアメリカン航空のパイロットたちが、自分たちの意思とは裏腹に、ツインビルに引き付けられてしまっての結果だった。 そうとしか考えられなかった。 

三機目がペンタゴンを攻撃してからは、私の脳内ストーリーはがらりと変わった。 そのニュースが流れてから、ワシントンで働く人々は仕事を終わらせて早退した。 何か危険が起きている...と言うのは誰しもが把握していたので、愛する家族が心配で皆帰った。でも皆パニックに陥ってたし、何千人もの人々が一気に帰宅し始めたので、車も動かぬ交通渋滞となった。 電車も止まってしまった(ペンタゴン駅が閉鎖が原因)。 全米を走るアムトラックも、ニューヨーク方面は完全に停車。 空港も閉鎖で、空の交通機関が完全シャットダウンとなった。 ニュースを見て、それから、町をあたふた走り回るワシントニアンを見て、私の脳内では"戦争が始まった"と言うアラームがなり始めた。 私もパニックになっていたようだけど、いざとなると、どうしていいのか分らなかった。 「私が働くこのオフィスビルにも飛行機が突っ込んでくるのではないか?」と不安を抱えていたのは私だけではなくて、 同僚たちも同じだった。 ほとんどの人が家族に電話し始めた。 日本にいる家族にも、電話をかけている人がちらほらいた。 こうなると何処からともなく誤報も飛び交っていった。 「国会議事堂で爆発が起きた」とか、「ホワイトハウスから爆発音が聞こえた」とか、「ヴァージニア ロズリン の ツインビル がやられた」など。

私は仕事がら早退が出来なかったので、最初で最後だと思うけど、ひと気がなくなる空っぽのワシントン、そしてビジネス街に戦車が走り始めたDCを初めて見た。 この日感じた不安は一生忘れる事が出来ない...となると、このテロはビジネスに影響を与えただけでなくて、 人々の心の中にも恐怖心を植え付けたアタックともなったのだ。 そして今日のポストに出ていたのは、今日現在でも私たちを悩ませつづけるテロリストの影響。 それは、飛行機の旅が毎年、毎年更に難しくなっていること。 今までは凶器と取れるハサミとか、ライター、毛抜き、凶器?としてはムリがあるが、爪きりなどが持ち込み禁止となった。 この間のロンドンのテロ未遂事件からリキットタイプの物が全て機内持ち込みが禁止となった。 テロとは関係ないけど、アメリカでは闘牛病ニュースから、牛肉エキス入りの食料品のアメリカ国内持込が禁止となった。 これでは私の好きなカップラーメンのお土産が、もらえなくなるじゃぁないか。 食べ物の恨みは怖いですからね。 テロリストに八つ当たりしてやろう!  

でも、リキッド物禁止はさすがに困る。 アメリカ-日本間は最低7時間。 でも私の場合は飛行機を乗り換え足りしなくてはならないので、 待ち時間に歯を磨きたくなったり、 飛行機内でもスターバックスコーヒーを飲んだり、 ボトルのお水を飲んだりしたいし、 乾燥する機内でハンドクリームだって塗りたい。 日本に帰る時に友人や家族に買うお土産も、ほとんどがリキット物なので、預け荷物にお土産を入れての紛失も困る。 だから、もって帰れる個数に限りがでてくる。 空港でのチェックインや、セキュリティチェックにも時間が相当かかっている。 う~ん腹ただしいテロリストめぇ。

そこでポストではなるべく空港でのチェックインやセキュリティチェックをスムーズにするためのアドバイスが書いてたった。 当たり前かも知れないが一応...  まず、 本、チョコレート、ピーナツバターを預け荷物の中に入れていると、必ずラゲージを開けられるので、なるべく避けたいのなら、これらを入れない。 フライトの遅れやキャンセルなどを、携帯やEmailで知らせてくれるサービスを、航空会社にリクエストしておくか、 家族や知り合いにフライト番号とスケジュールを把握しておいてもらって、いつでもオンラインで出発時間などを確認してもらえるようにしておく。 出発の24時間内にEmailされる飛行機の搭乗券を、自分でプリントアウトする。 そうすることによってチェックインカウンターに並んで待たなくてもいいし、 ストレートにセキュリティーゲートに行ける。 これはとても便利で、30分から、1時間半は待ち時間が省ける。 海外に行く人は自分自身と友人や家族に、万が一の為にパスポートのメインページをフォトメイルしておく。 2り以上で旅をする場合は、荷物を半分づつ分けて、万が一一つのラゲージの到着が一日から数日遅れても困らないようにしておく。 女性は"Puffer" Bomb (爆発物探知機)がスカートをめくる恐れがあるので、なるべくパンツで旅を....  

こんなに面倒なことをしてまで旅はしたくないけど、しないわけにはいかない。 だったらこれらのアドバイスを実行して、なるべくスムーズに空の移動ができるようにしたいですよね。 怪しい人物と間違われてセキュリティールームに換金されても、慌てずに、怒らずにが鉄則です。 一度日本人のお客様が、ブラックリストに載っている人と同姓同名だったため、引き止められていたんだけど、 次の飛行機に間に合わなくなるから.....とイライラして、セキュリティ オフィサーを突き飛ばしてしまった。 それで逮捕されてしまいました。 そうなると釈放に時間がかかり、旅どころではなくなるので、慌てずに支持をまって、こう言うときの為に、英語が話せる信頼できる友人の電話番号を所持しておきましょう。 テロや戦争が無くなる日なんてないのでしょうか? そんな日が早く来る日を祈りましょう。

Wednesday, September 06, 2006

世界一のクロコダイル ハンター

9月4日のニュースで世界的に有名な動物愛好家でもあり、オーストラリア動物園の経営者でもあるスティーブ アーウィン (Stive Irwin)44歳が亡くなったとニュースされた。 私は最近やけに涙もろく、彼の死のニュースを聞いて、とても落ち込んでしまった。 スティーブはオーストラリアはもちろん、イギリスでも彼のテレビ番組が放送されていて、とても人気があったようだ。 アメリカではDiscoveryチャンネル(教育チャンネル)系列のアニマルプラネット(Animal Plannet)、と言う24時間動物に関する番組だけ放送するチャンネルがあるのだけど、そのチャンネルで"クロコダイル ハンター" (Crocodile Hunter)と言う彼の番組があった。だからスティーブはクロコダイル ハンターと呼ばれていた。 クロコダイルはワニと言う意味で、ハンターは狩人...となる。 でも、ワニを捕まえて食べてしまおうとか、ワニの皮を売りさばいてしまう狩人ではない。 ワニを保護する狩人なのだ。

 日本では番組のクロコダイル・ハンター(Crocodile Hunter)はやっていたのだろうか? スティーブは日本のムツゴロウさんに負けない動物愛好家で、ムツゴロウさんよりも危険な動物と無茶な接触を楽しむところがあった。スティーブは特にワニ、蛇、クモ、そしてサソリといった危険で毒なんかも持つ生き物が大好きで、探検ドキュメンタリー収録中にこれらの動物を見つけると、誰よりも目を輝かせて「Isn't she a beauty?/(その生き物に対して)彼女は美しいよね?」と、オーストラリア人訛りのアクセントを効かせた言い方で、興奮するのが有名だった。そして、テレビに出るときも、プライベートでも、ほとんど日常はサファリ探検のようなカーキ色のコスチュームに、ハイキングブーツの出で立ちで、それか彼のトレードマークだった(写真)。 彼の両親がオーストラリア動物園の経営者だったので、スティーブはこの動物園で野生動物と一緒に育った。 だから、危険なワニの扱いも、蛇の捕まえ方も、朝飯前って感じでなれた物だった。 

スティーブの番組ではワニとの接触がとても多かったんだけど、番組中ワニを捕まえて、檻の中に入れて、その檻を別のところに移動して、入ったワニを安全な場所で開放する、と言うことを良くやっていた。 これが見ていると、本当に手馴れた感じでワニを操るように捕まえるし、その光景を私は何度となくテレビで見ていたので、 ワニと言う生き物を大分理解したと思っている。 しかも、不思議とジャングルでワニに出くわしても、慌てずに対処できそうな気(あくまでもそんな気)がしているし、捕まえる事だってできるような気でいる。 クロコダイル・ハンター流のワニの捕まえ方は、まず輪を作ったロープをワニの口に通して、ギュッと縛り付けて、口を開けないようにする。 その時ワニの習性で体をグルグルと巻いてくる。ワニからして見れば、これでロープを引きちぎれると思ってやっている。 注意していないとロープがワニを巻き始めて、ロープが短くなってくる。そのワニに接近した時に尾で叩かれたりしないようにする事と、ロープを持っているこちら側が巻き込まれたり、腕や体を締め付けられたりするから、ロープは長めのもを使って、ワニが巻き始めたら、ロープを持つ手を緩めて、巻かれないようにする。 そして目をテープで隠す。 ワニは真っ暗で目の前が見えないと、じーっと大人しくして動かなくなる。その時ワニに乗りかかって捕まえる。...とうですか?聞こえは簡単そうでしょう? なんかできる気がするだけで、本当は出来ません。 皆さん真似しないように。

彼の死は撮影中の事故死だったらしい。 海の危険動物を紹介する番組で、ちょうど海に潜ってエイに接近した時に事故は起きた。 スティングレイと言う毒をもつアカエイに、尾を胸に突き刺されて亡くなった。 カメラが回る目の前で起こったが、カメラマンもマネージャーも大量に吹き出る血を見るまでは、尾が胸に刺さった事が分らなかったと言う。 気が付いたときスティーブは突き刺さった尾を自らの手で抜き取ったあと、気を失って亡くなった。 彼の友人がエイに刺されて亡くなった事がある。 同じ方法で亡くなったのが無念だったのではないかと思えてならない。 しかも可哀想なのは、カメラマンがエイの目の前でカメラを回したので、それに驚いて自己防衛で尾を立てたと、Yahooニュースでは言っていた。 まるで、事故はカメラマンのせいかのような書き方だった。 動物を愛する寛大な心をもつクロコダイル・ハンターだったら、カメラマンや誰のせいでもないと言っていただろう。 もうあの笑顔が見れないと思うと、なんだかとても寂しいですね。 番組を見たことないかたはエディーマーフィーの映画「Dr. Dolittle Part2」にハンターは出ているらしいので、一度ご覧になって見ては? 動物をいかほどにも操れるハンターが野生動物の攻撃によって逝ってしまわれましたのですから、皆さんも野生動物にはくれぐれも気をつけて下さいね。 

Friday, September 01, 2006

Amish社会の罰

アメリカABCチャンネルの番組に20/20(トゥエンティー/トゥエンティー)と言うのがある。これはよくあるドキュメンタリー番組で、あくまでも真実を追求する事を目的としているところがある。 日本にもこれに近いドキュメンタリー番組はいくつかあるだろう。 課題は色々あるが、ほとんどが事件、病気、それと政治に関するニュースを、インタビューや実験など踏まえて掘り下げて、一般市民に分かりやすく解説する番組だ。 私はチャンスさえあれば、こう言う番組をみるようにしている。 先日ジョンベネちゃん事件について日記を書いたばかりだと言うのに、 この番組では、またも若い女性が犠牲となった事件の特集を報道していた。 でも、今回は私たちにとって未知の世界で存在する社会内で起こった事件だったので、やっぱり興味が湧いた。 まったく素性の知れないお隣に住む人の生活が気になるように、この番組で取り上げられていた特定の人々の事も気になる...と言うのが人の習性と言うものかな。

今回はアーミッシュ(Amish)社会で起きたレイプ事件だった。 事が明るみになったのは、レイプの被害者であるメリー(Mary)ちゃん22歳によるリポートで明らかになった。彼女はアーミッシュ社会で生まれ育った。 そして彼女には男兄弟が8人いるが、そのうちの一人 ジョニー(Johnny)とその仲間から、6才になった頃から14才になるまでの8年間に渡り、レイプされつづけたと言うのだ。 彼女は本を読むのが好きだった。 なぜなら、本を読んでいる時は、本のストーリーを空想して、頭の中で作り上げた綺麗なストーリーの、汚れない世界に入り込む事ができるから。その時間だけは嫌な事を忘れる事ができたと言うのだ。

日本の人はアーミッシュって言っても、知らない人が多いと思う。 アーミッシュというのはスイス-ドイツ系移民で、(カナダにもいるけど)ほとんどがアメリカに住む、メノナイト派クリスチャンの教えを支持する民族で、主にペンシルバニア州のランカスターに多く住んでいる。その他アイオワ州、イリノイ州、ニューヨーク州、オハイオ州にも住んでいる。 ペンシルバニアの規模が一番大きく、ペン州の3分の2はこれらアーミッシュの領土となっている。彼らは近代的な生活を拒み、車にものらず、電気を使わず、何でも自分たちで手作りしてしまう、100年前まで人間がしていた暮らしを今でもしている人たちのことだ。 アーミッシュ社会では子供は小学校まで(13歳)しか学校で学ばない。 小学校を出たら大人たちの手伝いをはじめる。 服装も大体決まっていて、男性は黒いズボンにしろや青いシャツ、黒か麦地の帽子、既婚者はあごひげを生やす。 女性は子供のうちは薄い色のドレスにエプロン、 大人になると黒や濃い色のドレスが多い、そして昔のナースのような帽子をかぶっている。

なんてたって、一般社会から孤立して暮らしているので、その実態はなかなか知らされない。 ランカスターはアーミッシュ郡が立派な観光地ともなっているので、彼らの生活スタイルを見学はできる。でも、これはあくまで外から見たもの。 彼らの文化や風習、考え方までは一緒に住んで見ないと分からない事。そんな疎外された場所で、アーミッシュの女性は性について勉強はしない。そのうえ、言いたい事を我慢するのが当然とされている。 だから、お兄さんからレイプされていた事も何をされているのか分からず、"お兄ちゃんは私に意地悪をしているんだ"...と思っていたと言うのだ。お兄ちゃんの仲間も加えると、一人でいられる時間がなかったと言う。 どこに行くにも、何処かで誰かにレイプされた。 牛小屋にいるとそこでレイプされ、倉庫にいるとそこでもレイプされた。だんだん一人で外に出かけるのが怖くなったと言う。 レイプされている時は天井を見たり、回りにある物を見て、本を読むときに身に付けた空想にふけて、現実逃避していた。 

母親は再婚をしていた。 その再婚相手は母親や子供たちに暴力を振るっていた。何でもいい、手にとるものを使って殴りつけたりした。 そんな母親にメリーは打ち明けた事がある。すると母親は、「貴方の抵抗が足りないのよ」とか、「神への祈りが足りないのよ」とか、まるで共感されるよりも、自分が責められてた気がしたと言う。 アーミッシュ社会の裁判官は教会の長老たちなので、彼らに打ち明けた。 そこで兄のジョニーはレイプした事を認めた。 アーミッシュ社会では"打ち明ける事"は誉められるべきこととされるので、次に誉められるべき"許す心"に従って、お仕置きはやさしい物だった。 ビールを吐くまで飲む時のお仕置きと、レイプをした時のお仕置きは同じで、2ヶ月間教会の行事ごとに参加できないと言う、罰でも何でもないような物だった。 

メリーにとってみれば、彼女の失った明るい少女時代と同じだけの辛い罰を下されるかと思ったら、酔っ払いと同じ扱いの罰だけ下った兄を許せないでいた。 そこで、アーミッシュ社会の外の世界(私たち一般社会)の権力者にどこからか相談した。 そこでペンシルバニア警察が調査を開始して、ジョニーの自供で、第2級犯罪の刑期8年、執行猶予10年の罰が下された。 彼女の母親も娘を守る事が出来なかったとして2年間の保護観察処分を。 暴力を振るって、間違った教育をした父親は18ヶ月の保護観察処分を受けた。 今メリーは去年の三月から陸軍に入隊した。 将来は心に傷を負った子供たちを救いたいと言う思いから、看護婦になる事をめざしている。

私はアーミッシュの人たちは好きだ。 昔ながらの生活をしていて、食料もオーガニックの野菜を作って、地球にやさしい人たちだと思っている。 アーミッシュマーケットでは、彼らの手作りのキルト、野菜などが売られていて、中でもチーズがすごーく美味しい。 これぞ手作りのフレッシュなチーズって感じがたまらない。 だけど、彼らの社会に入り込んで邪魔する気はないけれど、女性が言いたいことを言えず、事の犠牲になり、我慢しなくてはならないのは、やっぱり可哀想だと思う。 本人が幸せなら周りが色々言う事もない。 でも、辛い目にあっているんだったら、アーミッシュ社会にももう少し厳しい法律を作るべきだと思う。 私はこのストーリーを読んで、一般社会のルールに無知なアーミッシュと、映画の the Village が重なってしまうのは私だけだろうか? 皆さんはどう思われますか?