Gody's Diary

Wednesday, October 25, 2006

止めればいいのに考える、エンドレス ストーリー

アメリカには話してはいけない3つの課題がある。 それは、政治、宗教、そして人種だ。 話してはいけないと言うのは、他人と会話の中に、この課題を取り上げてはいけないと言う意味だ。  どうしてかと言うと、これらのどの課題を取り上げても、必ず討論になってしまって、結論なんか見つからないからである。  政治では、個人が支援する政党がそれぞれ違って、自分たちが支援する政党が、いかにこの世にとっていいのかを話し始めると、必ずライバルとされる政党の批判が始まったりする。 それを今度はライバル党支持者が反論する。  これは討論になっても仕方がない。  宗教だってみんな信仰している宗教があって、それをそれぞれが信じて止まないのだから、他宗教の批判もあるのは当然のこと。 これを他宗教の信者と課題に取り上げて、話し始めたらエンドレスなのは想像がつく。  最後は人種についてだ。  これも政治や宗教と同じく、みんな自分が分類する人種の批判をされると腹がたつ。  同時に、自分以外の人種の人が他人種よりもいかに勝っているかを話し始めたら、喧嘩にだってなる。  だから「見ざる、言わざる、聞かざる」の3課題とされるのだ。  

でも、この3課題について私が考えるようになったのは、アメリカに来てからだ。  それまでは若かった事もあって深く考えた事はなかったけど、アメリカには色んな人種の人たちが住んでいて、色んな宗教が存在している。  そして、色んな国の人たちが移民して来ていたり、仕事でアメリカに滞在している人がいるのだから、アメリカと外国との国家関係次第で、ここに住む外国人が国内論争を起こしたり、デモを行ったりってな事に発展する。  だから、ここに住む私にも、これらの課題が自分ごとと深く関わってくる。  それでも政治や宗教はひっそりと個人事で済ませることが出来る。  こっそり自分の指示する政治家に投票すればいいし、 自分の信じる宗教活動をしていればいい。  他人とその話をしなければ、特に問題はないはずだ。  だけど、人種問題はこの国にいると必ず経験する、避けようのない問題なのだ。  

人種差別は世界中であるとしよう。  私はハーフだから、小さい頃日本で「外人」と良くつつかれた。  けど、アメリカほど他人種とのメルティングポット(人類のるつぼ)が深く意味する国はないでしょう。  そしてアメリカに住む日本人の多くも人種差別を実感した人は多いでしょう。  黒人さんに対する差別だけではないです。  日本人は優遇されているように見えますが、差別は実際に存在してます。  昔日本人学生がハロウィンの日に射殺された事件がありましたが、裁判自体に差別があったでしょう。  差別をずっと受けてきた黒人さんだって、日本人やアジア人を差別したり、馬鹿にしたりします。  「外人」と言われた私だって、ヒスパニックに対して差別発言しています。  

今週のオンラインニューズウィークに"Medicine's Racial Gap" (医学の人種格差)と言う記事が出ている。  ここでは黒人さんに対する不平等な医療待遇について書いている。  アメリカにはMedicareと言って、高齢者が受ける政府からの医療保障がある。  これは国民年金みたいに、市民が毎月少しずつ国に支払っているお金から賄われる医療費なのだ。  記事によると、151の医療保障プランがあって、そこに334.204人の黒人と白人の会員がそれぞれのプランを持っているなかで、たった一つの医療プランだけが両人種に対して平等であったと言う結果だったそうな。  でもこのプランの内の半分でさえ、部類分けがされていると言う。  これは黒人だから医療保障のシェア-を減らされて、白人有利になっている人種差別プランなどではない。  この記事の中に、この不平等をうまく表現した文があった。  それは「これは貧困や食事、生活、医療の質のレベルに関係している」と。 そして、「貧困街にはタバコの広告は多くあるのに、遊べる緑のスペース(自然の中で遊ぶ)や、フレッシュな果物や野菜を売る店が少ない」と。  これは、社会の構造自体が貧富の差を作り上げているのだ。 

他人種を小ばかにしたり、自分の人種を優遇する人種差別はなくならないとして、それ以外に平等と言うのは、(男女、人種が)平等に仕事をして、平等に政府からの医療や待遇のサポートを受ける、平等のシステムが存在して初めて平等な社会になるんだろう。  これが実現すればアメリカは平等社会だといえる時は、アメリカで女性や黒人が大統領になった時だ。  外国生まれのアメリカ市民が大統領になったらなおさらびっくりだ。 

この社会システムを本当に平等にするまでには、あと何世紀かかるのだろう?  来年からと言うような簡単な問題ではないのでしょう。  これを責めるとすれば、今の大統領を責めるより、アメリカに移民した先祖を責めなければならなくなる。  黒人が奴隷にされたことを恨むしかない。  イギリス植民地のアメリカでは、始めはイギリスの犯罪者かネイティブアメリカン(インディアン)かを奴隷にと考えていたらしいが、同じ白人の犯罪者が逃げ出したら見つけにくいし、インディアンの領土では彼らのコントロールが効かないと考え、色で判断できる黒人を奴隷にと考えたのがきっかけと言うから、そのアイデアを考え出した人を責めるしかないのだろう。  でも、奴隷は何処から来ているのでしょうか?  アメリカ植民地ができる前からヨーロッパなどで存在していたらしいから、奴隷が必要と言う考えを根本から取り除く必要がありますね。  日本にだってあったようですし。  でも、ドラえもんのタイムマシーンに乗って、奴隷制度を支持するキングを捕まえに行けるのなら別だけど、それは不可能です。  今それを変えられるのは法律しかない。  法律を変えるには、自分たちの希望をかなえてくれそうな人を大統領にするしかない。  その人が当選するまで暑い、なが~い戦いになってしまいますね。  あらっ!?、いつのまにか政治の話に戻ってしまいましたが、皆さんはこのきりのない人種差別問題についてどう考えられますか?  

                  

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